選定理由 |
京都府内ではもともと希少種である上、個体数も少ない。牛尾山・土畑、瑠璃渓では近年全く見かけなくなった。 |
形態 |
湿原や湿地にはえる多年草。叢生。茎は高さ30〜50cm。茎頂付近に数個の小穂を群がってつけ、形状は金平糖を連想させる。小穂は大半が雌花で、基部に少数の雄花を付けることが多い。小穂は長さ7〜12mm、多くは栗褐色。果胞は開出、平凸形、長さ4〜5mm。
◎近似種との区別
カワズスゲは北海道・本州中部以北の山地に生え、全体小型、果胞も長さ3.5〜4mm。キタノカワズスゲは北海道・本州中部地方以北の高山湿原に稀で、茎は高さ20〜50cm。果胞は扁平で長さ3mm。京都府にはヤチカワズスゲに紛らわしいものはない。
◎参照 日本スゲ属植物図譜I:18頁,原色日本植物図鑑草本III:No.442,日本の野生植物I:166頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、千島列島(南部)。
◎府内の分布区域
中部地域。 |
生態的特性 |
湿地の開発、林道新設や拡幅。渓谷の改修。遊歩道の新設。 |
生育地の現状 |
開発や林道工事、渓流の改修、遊歩道の整備等に先立つ詳細な生物調査が必要である。その上で諸開発の適否を判断すべきである。 |
その他 |
日本固有種 |