選定理由 |
産地が限られ個体数も少なく、標本の採集例が極めて少なく、竜ケ岳、愛宕山・比叡山、半国山の3ヶ所で標本が採られているだけである。近年の確認情報も殆どない。 |
形態 |
山地林下や登山道脇などにはえる軟弱な多年草。叢生。タマツリスゲ同様雌小穂は疎らに花をつける。
◎近似種との区別
全体タマツリスゲに似るが本種はより大型。タマツリスゲは茎基部の鞘が濃赤紫色であるのに対し、オオタマツリスゲでは淡色。果胞の長さ5〜6mmのタマツリスゲに対しオオタマツリスゲでは長さ7mmに達する。雌小穂も本変種の方が長く花もより多い。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:293頁,京都植物22(5):10頁,日本スゲ属植物図譜2:192頁,日本の野生植物I:154頁 |
分布 |
本州、中国大陸。
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
もともと希少種。山間の林道新設や拡幅、開発など。 |
必要な保全対策 |
目立たないため、林道の新設や拡幅工事等にも先立つ詳細な生物調査が必要である。 |