選定理由 |
過去現在を通じて標本の採集例が少なく、野間(竹内,1962)、比叡山(村田,1993)の2ヶ所で採られているだけである。近年の採集・確認情報もない。 |
形態 |
山地にはえる多年草。細い地下茎をひき株は叢生する。頂小穂は雄性で1個。側小穂は雌性で数個、球形〜長楕円形で長さ1.5〜3cm。果胞は卵状楕円形で光沢があり長さ3〜3.5mm、嘴には2歯がある。
◎近似種との区別
ヒゴクサが最もよく似ているが、雌小穂が有柄。果胞は卵形で長さ2mm。
◎参照 吉川:日本スゲ属植物図譜II:226頁,原色日本植物図鑑:288頁,日本の野生植物I:153頁, |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島。
◎府内の分布区域
北部地域(丹後地域)、南部地域(京都市・乙訓地域)。 |
生存に関する脅威 |
姿は雑草そのもので目立たないため希少種と気づかれぬまま林道新設や拡幅工事、または開発によって犠牲となるケ−スが懸念される。 |
必要な保全対策 |
開発など上記要因に先立つ詳細な生物調査が必要である。その上で開発、林道開発の適否を決定すべきである。 |