選定理由 |
産地が限られ近年の確認情報はない。村田:近畿地方植物誌39(1998)50頁によれば、過去、宇治五雲峰・田辺町の2ヶ所で標本が採集されているだけである。 |
形態 |
草原にはえる多年草。高さ1m内外で、稈を束生し姿はススキ属のカリヤスに似る。
◎近似種との区別
同属のウンヌケは稈の基部の鞘は黄色のビロ−ド状の毛を密生、葉はほとんど無毛。ウンヌケモドキは基部の鞘は赤褐色で無毛、葉には疎らに白毛がある。カリヤスとは葉鞘(基部の葉鞘をのぞく)や葉身、総の軸などが多毛であることで区別できる。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.736,日本の野生植物I:93頁,日本イネ科植物図譜(1989)p.692 |
分布 |
本州(東海地方以西)、四国、九州、琉球、中国大陸(南部)、インド(北部)。
◎府内の分布区域
南部地域(山城中部地域)。 |
生存に関する脅威 |
府内では産地が限られ個体数も少ない。山麓の草原は最も開発の対象となりやすく、目立つ花をつけないイネ科やカヤツリグサ科はまっ先に犠牲となりやすい。 |
必要な保全対策 |
開発に先立つ詳細な生物調査が必要である。その上で諸開発の適否を判断すべきである |