選定理由 |
1年草で、発生は年による変動が大きく、水田を耕起した後などに突発的に発生を見ることがある。府内では非常に稀となり、現状では絶滅の恐れが高い。 |
形態 |
水田や湿地にはえる1年草。葉は心形で長さ5〜10cm、全縁。根生葉の柄は長く、10〜20cmで、茎葉の柄は短く5〜10cm。花序は9〜10月頃、茎の先に頂生し、葉よりつき出て多数の美しい青紫色の花をつける。花は径2.5〜3cm。雄しべは6個、うち5個は小さく葯は黄色、1個は大きく葯は青紫色で花糸には1個の凸起がある。
◎近似種との区別
同属のコナギでは茎は短くて直立せず、花序は短くて葉柄の基部にあるのに対して、本種では長い茎が直立し、花序は葉より長くつき出て多数の大きな花がつく。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.296,日本の野生植物I:59頁 |
分布 |
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸、ウスリー。
◎府内の分布区域
南部地域。 |
生存に関する脅威 |
河川・池沼の開発、湿地の遷移、農薬汚染、生活排水の流入などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
さまざまな要因が複雑にからんでおり、1つの施策では解決できない。 |