選定理由 |
全国的にごく稀な植物で、近畿地方では京都府のみに記録されている。1954年以来情報がなく、絶滅が危惧される。 |
形態 |
山地の林下にはえる腐生の多年草。高さ7〜20cm、淡黄色で茎は細く硬く、下部に多数の鱗片葉が互生する。鱗片葉は広卵形、膜質、長さ2〜5mm。花期は7月。花は茎頂の総状花序につき、径3.5〜4mm、花被片は6個。果は長さ3mm、胞間裂開する。種子は楕円形で長さ0.5mm、縦条がある。
◎近似種との区別
本種は東南アジアから日本に数種あるが、日本にはサクライソウ1種のみ。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.272,日本の野生植物I:23頁 |
分布 |
本州(岐阜県、長野県、石川県、福井県、京都府)、奄美大島、台湾。
◎府内の分布区域
南部地域(京都市)。 |
生存に関する脅威 |
森林伐採、植生の遷移、株の採集などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 |
小型の腐生植物であるため、森林環境のわずかな変化に影響されることが考えられ、広範囲にわたって生育環境を維持する必要がある。 |