選定理由 |
府内では分布域が局限され、しかも世界での分布南限に当たる。個体数も少ない。 |
形態 |
地下茎は横に這い、節から少数の根を出す。高さ果時に10〜25cm。葉は細長い円柱形で3〜4個立生し、先には小さい穴がある。花は6月頃に開き、花被片は6、おしべ6、3個のめしべがあるが、小さくて目立たない。果時には3個のめしべが卵形に膨らみ、長さ6〜7mmとなる。
◎参照 原色日本植物図鑑草本III:No.771,日本の野生植物I:8頁 |
分布 |
本州(京都府以北)、北海道、朝鮮半島(北部)、サハリン(樺太)、シベリア、ヨーロッパ、アメリカ大陸(北部)。
◎府内の分布区域
南部地域。 |
生態的特性 |
亜寒帯の湿地にはえる小さい多年草であるが、府内の一部に生き残っていることは、最終氷期にはこのあたりまで亜寒帯の環境があったことを示している。 |
生存に関する脅威 |
湿地の埋め立てや開発。 |
必要な保全対策 |
池の富営養化の防止と水質の酸性を維持する必要がある。 |
特記事項 |
深泥池生物群集として、生育地は国の天然記念物に指定されている(文化財保護法)。 |