選定理由 |
本種は各地で消滅が相次いでおり、府内では絶滅に近い状態となっている。 |
形態 |
池沼や水路などに群生する1年生の浮葉植物。浮水葉は広卵状菱形、葉柄の中央部は長楕円状に膨らむ。花は白色、時に紅色を帯び径6〜8mm。花期は7〜10月。がくには毛がない。果実(石果)は倒3角形で、4個の刺がある。
◎近似種との区別
ヒシ属の他種に比べて、葉や果実が非常に小さく、浮葉や花柄・がくなどはほとんど無毛である。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:No.83,日本の野生植物II:262頁,日本水生植物図鑑:No.27,日本水草図鑑:129頁 |
分布 |
本州、四国、九州、台湾、中国大陸(東北部)、ウスリー、朝鮮半島。
◎府内の分布区域
南部地域(旧巨椋池跡では絶滅)。 |
生存に関する脅威 |
池沼の開発、水質汚濁、湿地植生の遷移が減少の主要因であるが、他のヒシ類や帰化種の影響も考えられる。 |
必要な保全対策 |
池沼・水路の改修や湿地の開発の際には、他のヒシ類と区別して詳細な調査が求められる。 |