選定理由 |
分布域は広いが、府内では本種の生育できる日当りのよい湿地が少なく、繊細であるため環境変化の影響を受けやすい。現状では絶滅の恐れが高い。 |
形態 |
日当りのよい湿地にはえる小さい1年草。茎は細く直立して時に分枝し、隆起条がある。葉は互生である。花は淡紫色で、花弁は3個、細長い穂状花序につく。花期は8〜9月。果は扁平腎形で、縁には数個のとげがある。
◎近似種との区別
雄しべが4個で、果実(果)のふちに小刺がある点が本属の特徴である。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:No.162,日本の野生植物II:234頁 |
分布 |
本州、四国、九州、朝鮮半島(南部)、台湾、フィリピン、マレーシア、インド、オーストラリア。
◎府内の分布区域
北部地域(中丹地域)、南部地域(相楽地域)。 |
生存に関する脅威 |
湿地開発が主要因であるが、1年草であるため発生は年変動が大きく、また草体が小さいので花期以外は知らないまま踏みつける可能性がある。 |
必要な保全対策 |
本種の種子は渡り鳥によって運ばれると考えられており、渡り鳥の飛来できる湿地を保全する必要がある。 |