選定理由 |
巨椋池は本種の基準産地。全国的にも減少しているが、近畿地方ではもともと分布する地域が限定される。府内では巨椋池と丹波地域の特産であったが、現在生育が確認できる場所は極めて少ない。 |
形態 |
広卵形で先端が丸い浮葉を持つ水生植物。葉柄が細く、水位が低下しても葉を立てて抽水形をとることはできない。
◎近似種との区別
葉柄の断面中央部に小さい穴が空いていることでヒメコウホネと区別できる。ヒメコウホネは葉柄が太く、水深の浅い場所では抽水形となる。
◎参照 原色日本植物図鑑草本II:No.253頁,日本水草図鑑:113頁 |
分布 |
本州、四国、九州
◎府内の分布区域
中部地域、南部地域。 |
生態的特性 |
池沼や溜池などの止水域に産するが、河川や水路などの流水域にもしばしば生育する。沈水葉のみの状態でも開花する。 |
生育地の現状 |
巨椋池からは干拓によって消滅した。丹波地域の池や水路も埋め立てや改修工事等でほとんど消滅した。 |
生存に関する脅威 |
河川改修、水質汚濁。アクアリウムや「ビオトープ」に植栽するための採集。 |