種子植物 スイレン科
オグラコウホネ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類(VU) |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種A |
選定理由 | 府内の旧巨椋池は本種のタイプ産地。全国的にも減少しているが、近畿ではもともと分布する地域が限定される。府内では巨椋池と丹波地域の特産であったが、現在生育が確認できる場所はきわめて少ない。 |
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形態 | 広卵形で先端が丸い浮葉を持つ水生植物。葉柄が細く、水位が低下しても葉を立てて抽水形をとることはできない。葉柄の断面中央部に小さい穴があいていることでヒメコウホネと区別できる。ヒメコウホネは葉柄が太く、水深の浅い場所では抽水形となる。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅱ(平凡社)94、原色日本植物図鑑 草本編Ⅱ(保育社)253、日本水草図鑑(文一総合出版)113 |
分布 | 本州、四国、九州。台湾のものも、種としては同じであると考えられる。 ◎府内の分布記録区域 南丹地域、京都市域南部、乙訓地区、山城地域北部。 |
生存に対する脅威 | 河川改修、水質汚濁。アクアリウムや「ビオトープ」に植栽するための採集。 |
必要な保全対策 | 上記の防止のほか、かつての自生地付近では工事後に再生しないかチェックが必要。再生が確認されれば、系統保存を考えるべきである。 |
特記事項 | 巨椋池からは干拓によって消滅した。丹波地域の池や水路も埋め立てや改修工事等でほとんど消滅した。池沼や溜池などの止水域に産するが、河川や水路などの流水域にもしばしば生育する。沈水葉のみの状態でも開花する。 |
関係法令 | 京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例(指定希少野生生物) |
執筆者 角野康郎、光田重幸