選定理由 |
府内における既知すべての個体群が小さく、生息条件が大幅に悪化している。 |
形態 |
体長3〜7cm。ヨシノボリ属。成魚では生体時にルリ色の斑点が体側に点在する。同属の他種と異なり、眼の直後まで鱗がある。 |
分布 |
国外では朝鮮半島、中国大陸、台湾に分布。国内では茨城県、秋田県以南に分布。
◎府内の分布区域
日本海、若狭湾に注ぐ河川。 |
生態的特性 |
両側回遊魚。淡水中でも繁殖可能。汽水域から下流域の砂礫底を好む。夏から秋にかけて石の下に卵を産み、オスがふ化するまで卵を保護する。ふ化した仔魚は海に下り、1〜2ヶ月後溯上する。1〜2年で繁殖に参加して死亡するが、3年以上生きる個体もみられる。 |
現状・脅威・保全 |
府内の淀川水系では過去の確認報告はあるが、近年における確認例はない。日本海側の汽水域の発達する河川に生息するが、個体数は少ない。本種のような遡上力の弱い両側回遊性の魚類にとって、川を横断する堰などの構造が生息場所を狭める。河川改修や魚道の改修工事の際はより自然に近い工法を取り入れる必要がある。 |