選定理由 |
本種は全国的に個体数が激減している。また、淀川水系桂川は分布の東限であるが、桂川個体群はすでに絶滅したと考えられる。府内では現在、由良川水系にごく小さな個体群しかみられず、京都府内での絶滅が危惧される。 |
形態 |
体長10cmに達する。海産のメバルによく似た体型で、鰓蓋後端に本物の眼よりも大きい眼状紋がある。体側に6〜7本の縞模様があり、側線は完全で尾鰭後縁は丸みを帯びる。 |
分布 |
京都府の淀川水系桂川以西の本州、四国北部、九州北部に生息する。
◎府内の分布区域
桂川(現在は絶滅)、由良川水系に生息する。京都市左京区内には移殖と考えられる個体群がみられる。 |
生態的特性 |
エビ、昆虫、小魚などを餌とする動物食で、4月下旬から9月頃に、ヨシの茎などに産卵し、雄が卵を保護する。ムギツクにより托卵されることも知られている。河川中流部で流れの緩やかな場所に多い。 |
現状・脅威・保全 |
特に生息地の保護対策はなされていない。護岸工事による生息場所の消失と飼育目的による乱獲が脅威である。護岸工事による河川の単純化、川岸のヨシ帯の消失を防ぐ。乱獲を防止する。本種の現在の分布東限である由良川産オヤニラミに関する資料が皆無であり、早急な調査と地元自治体による保護が急務である。 |
関係法令 |
京都府文化財保護条例(府登録天然記念物(特に地域定めず)) |