選定理由 |
本種に関する生態的な知識が乏しいまま、府内各所での個体数の減少がみられる。 |
形態 |
体長18cm程度に達する。体型はニゴイに似るが、体は概して小型で頭と吻はやや長い。口角には1対の口ひげがある。メスの尻鰭はオスにくらべて長くなる。体側、背鰭、尻鰭には小黒点を備える。この小黒点は本種と近縁なニゴイとの外見上の識別点として有効である。 |
分布 |
近畿地方以西の本州に生息。
◎府内の分布区域
鴨川、桂川、由良川に生息。 |
生態的特性 |
餌は止水棲のカゲロウを中心とする水生昆虫を好む。産卵は5〜6月に行われ、通常2年で成熟する。河川の中流域の砂底や砂礫底に多く、普段は底層から中層付近に定位しているが、驚くと砂の中に潜る。近縁のニゴイよりはやや河川の上流側に多い。 |
現状・脅威・保全 |
特に生息地の保護は行われていない。河川改修による生息場所の消失、魚食性外来魚による食害が脅威である。本種の生態に関する情報がきわめて乏しく、現状では有効な自然保護対策を施すことができない。本種の生活史に関する研究がその保護対策として急務である。また、河川改修に際しては砂底や砂礫底を残す配慮が必要である。 |