選定理由 |
河川河口域の汚濁やコンクリート護岸化によって生息場所が失われつつあり、京都府における分布が局限されている。食用とされることから高い捕獲圧にさらされている。 |
形態 |
体長8cm。生時の体色は淡黄色を帯びた透明で、死後は白色になる。ハゼ科魚類のシロウオLeucopsarion petersii と混同される場合があるが、本種は脂鰭を有し、頭部が細長くとがる。近縁種は京都府に生息しない。 |
分布 |
国外では、朝鮮半島の東海岸や沿海州沿岸に分布。国内では北海道から九州西岸にいたる河川の河口域と汽水域に分布する。
◎府内の分布区域
由良川河口域周辺部。 |
生態的特性 |
産卵期は春で、河口域で成長し、春に川を遡上する。この時期食用として捕獲される。由良川産のものは汽水域で一生を完結するものとされる。 |
現状・脅威・保全 |
現在、府内では由良川でのみ生息が確認されている。河口域の単純化や潮止堰による汽水域の縮小化が本種の減少要因であり、漁業による乱獲も脅威である。河川汽水域から河口域の開発の際は本種の生息状況を確認するとともに、これ以上の生息環境悪化と乱獲を防ぐ必要がある。 |