選定理由 |
本種は多くの県で保護を要すると評価されており、府内においても生息環境が河川改修などで破壊されやすく、個体数が激減している。 |
形態 |
全長20cm。体は細長くウナギ形であるが、口は吸盤状で顎がなく、円口類に属する。目の後方に7個の鰓孔がある。カワヤツメL. japonicumに似るが、鰓穴直後から肛門までの筋節数は57〜65(カワヤツメは68〜77)。目は小さく、側唇歯は3対で、それぞれに先の鈍い2突がみられる。 |
分布 |
国外では朝鮮半島から沿海州、中国北部に分布。国内では九州北部以北の全国的に分布する。
◎府内の分布区域
府内の主要な河川で確認されている。 |
生態的特性 |
全生活史を淡水で過ごす。河川の中流域で産卵し、ふ化した幼生は流れの緩やかな砂泥中で、有機物を食べて成長する。幼生はアンモシーテスと呼ばれ、目は皮下に埋もれている。4年目に変態し、砂礫底に産卵床を作り産卵し、死亡する。 |
現状・脅威・保全 |
過去、府内の主要な河川で報告があるが、近年(1990以降)では、京都市内の高野川と鴨川、丹後半島の佐野谷川と野田川、大手川での確認報告があるのみである。水質悪化や人工護岸の設置がアンモシーテス幼生にとって脅威となる。生息場所の保全・回復を図る必要がある。 |