選定理由 |
もともと希少であったうえに、府内では現在1ヶ所に数十個体が残るのみ。タイプ産地は府内の長老ヶ岳である。 |
分布 |
本州(近畿地方、中国地方)、四国(高知県)、九州(熊本県、鹿児島県)。
◎府内の分布区域
中部地域(タイプ産地のものは道路改修工事により絶滅)。 |
生存に対する脅威 |
道路改修、森林伐採、空中湿度の低下。 |
必要な保全対策 |
デリケートな性質を持った種類であり、人工繁殖は難しい。京都府がタイプ産地であるだけに、人工繁殖の研究が望まれる。現場を改変しないよう、周知徹底が必要である。 |
形態 |
常緑の多年草。葉身は長さ50〜60cm、幅30〜40cmで、中−上部の羽片の基部分岐点に大きなムカゴ(無性芽)ができる。良く生育した葉では3回羽状複生、最下の小羽片は後先(下先)につく。根茎は放射状に構成され、匍匐から斜上し、葉とともに微細な棍棒状の毛のみがある。
◎近似種との区別
オオフジシダは本種より通常小型、葉の中軸が伸びて無性芽をつけるが、中軸上につけることはない。また、最下の小羽片は上先につく。もっとも良く似た種類は台湾からヒマラヤにあるムカゴシダだが、日本では発見されていない。
◎参照 原色日本羊歯植物図鑑;pl.14-82,52頁(1959),京都府草木誌;5頁(1962),日本の野生植物 シダ;pl.49-3〜4,106頁(1999),改訂・近畿地方の保護上重要な植物;(No.5035、C)(2001) |
その他 |
日本固有種 |