選定理由 |
夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
形態 |
全長20cm。体は細くて尾は長め、嘴の先は少しかぎ形に曲がる。オスは額が白く、頭頂から後頸と過眼線は黒い。メスは頭頂から後頸が灰色。 |
分布 |
夏鳥として本州と四国に渡来し、九州南部から南西諸島では留鳥として生息する。府内には夏鳥として渡来するが、個体数は少ない。
◎府内の分布区域
全域。 |
生態的特性 |
国内では3月下旬頃には姿を見せることがある。落葉広葉樹の高木、特にトチノキやホオノキが茂る環境に好んで営巣する。樹林の上層部においてフライキャッチングで昆虫を捕らえる。繁殖期は5〜7月、巣は地上4〜15mの樹木上につくられる。年1回、一腹4〜5卵を産み、抱卵期間は17〜18日。雛は14日ほど雌雄から給餌を受ける。渡去は8月下旬に始まり、9月中旬には移動中の数10羽の群れが見られることもある。 |
生息地の現状 |
府内では明るい森林に生息し、ホオノキに営巣することが多い。渡来数は少なく、1970年代に比べるとかなり減少している。営巣環境の悪化に加え、越冬地における森林減少の影響が大きいと思われる。府内の営巣林の破壊につながるような改変を抑制すべきである。特に大木のトチノキやホオノキの保護に努める必要があろう。 |