選定理由 |
冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
形態 |
全長35〜40cm。翼開長91〜102cm。中形のフクロウで耳羽は長い。体の上面は灰色で黒、褐色、白の複雑な斑紋がある。体の下面には黒い縦斑と交わる細い横斑がある。目は橙色。
◎近似種との区別
コミミズクは耳羽がほとんどなく、目は黄色で目の周囲は黒い。 |
分布 |
ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の中緯度地帯で広く繁殖し、冬期は低緯度地帯へ渡る。国内では留鳥として本州中部以北で局地的に繁殖し、本州中部以南では冬鳥として渡来する。府内では南部地域で極めて少数が越冬する。
◎府内の分布区域
南部地域。 |
生態的特性 |
繁殖期は低山帯、越冬期は主にスギ・ヒノキなどの針葉樹林に生息する。夕方から夜にかけて活動し、主としてネズミやモグラを捕食し、小鳥や昆虫も食べる。巣は樹洞やタカの古巣を利用し、5月中下旬に一腹4〜6卵を産む。抱卵は27〜28日。ふ化後23〜24日で巣立つ。「ウー、ウー」と繰り返して鳴く。越冬中は数羽〜数10羽が一緒にいることもある。 |
生息地の現状 |
府内では比較的大きな河川近くにある森の林縁などで、極めて少数が冬期に確認されているが、越冬期の生息状況は十分には把握できていない。今後生息情報を集積して、生息環境の特性を把握することが課題である。 |