選定理由 | 冬鳥として府内で越冬する。越冬個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長35~40cm。翼開長91~102cm。中型のフクロウで耳羽は長い。体の上面は灰色で黒、褐色、白の複雑な斑紋がある。目は橙色。 ◎近似種との区別 コミミズクは耳羽がほとんどなく、目は黄色で目の周囲は黒い。 |
分布 | ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の中緯度地帯で広く繁殖し、冬期は低緯度地帯へ渡る。国内では留鳥として本州中部以北で局地的に繁殖し、本州中部以南では冬鳥として渡来する。府内では南部地域で極めて少数が越冬する。 ◎府内の分布区域 南部地域。 |
生態的特性 | 繁殖期は低山帯、越冬期は主にスギ、ヒノキなどの針葉樹林に生息する。夕方から夜にかけて活動し、主としてネズミやモグラを捕食し、小鳥や昆虫も食べる。巣は樹洞やタカの古巣を利用し、5月中下旬に一腹4~6卵を産む。「ウー、ウー」と繰り返して鳴く。越冬中は数羽~数十羽が一緒にいることもある。 |
生息地の現状 | 府内では比較的大きな河川近くにある森の林縁などで、極めて少数が冬期に確認されている。 |
生存に対する脅威 | 越冬地として利用する樹木の伐採など。 |
必要な保全対策 | 越冬期の生息情報を集積して、生息環境の特性を把握することが必要である。 |
文献 日高(監)(1997)、黒田(編・監)(1984)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳