選定理由 |
府内での発見例が少なく、分布は局限されている。限定された環境を生息場所とし、環境変化に弱く減少傾向にある。環境指標性が高い。 |
形態 |
全長はオスで151mm、メスで149mm程度で、尾が非常に長い。肋条数は普通14本。鋤骨歯列は極めて浅いM字型。後肢は5指性で、繁殖期には指端に黒い爪が生じる。背面は褐色で、頭部から尾部にかけて橙〜褐色の帯状斑紋をもつ個体が多い。卵嚢は短い紡鐘型。
◎近似種との区別
成体は尾が長く、背中に帯状の斑紋があることで、幼生は四肢の後部にひだがあり、尾のひれの前端が後肢上に位置することで、他のサンショウウオ類と区別できる。 |
分布 |
本州、四国。
◎府内の分布区域
北〜南部地域の限られた地域(舞鶴市、弥栄町、大江町、美山町、京都市)。 |
生態的特性 |
標高約200m以上の山地に生息し、林床の浅い土壌中や倒木・石などの下に潜む。繁殖の詳細は府内では不明。幼生は数年間、渓流中で生活する。 |
生息地の現状・脅威 |
京都市や美山町では大きな環境変化は認められていない。舞鶴市の生息地は、海岸に近い低標高地のため、今後開発される可能性がある。森林伐採、山岳道路建設、堰堤建設などによる流水環境の寸断などが生存を脅かしている。 |
必要な保全対策 |
繁殖に必要な水環境(渓流)と成体や幼体の生息場所となる周辺の陸環境(森林)を、一括して保全していく必要がある。 |
その他 |
日本固有種 |