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分類 | 化石 |
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細分 | 貝類 |
時代区分 | 新生代第四紀更新世 |
地域 | 京丹後市弥栄町黒部 |
選定理由 | 日本海沿岸の「中位段丘」で豊富な貝化石が産した地層が破壊されつつある。 |
分布 | 近畿ではここと兵庫県豊岡市畑上の2か所にある。 |
特徴(特異性) | 京丹後市弥栄町黒部の農協前の東側に、標高20mの段丘面から下に厚さ8mの段丘堆積物が崖に露出していた。上部6.5mは主に砂層で、下部に厚さ1.5m以上で下限が見られない暗青灰色海成粘土層があり、その上部に貝化石が密集している部分があった。石田(1964)は貝類27科42属45種と、ほかに多数の貝形虫と少量の植物化石が産したことを発表した。とくに多産したのはイボウミニナ348個、コゲツノブエ260個、カモノアシガキ200個、テリザクラ110個である。その他はカワナリ71個、ヘナタリとアサリの各65個、アラムシロ61個、ヤマトシジミ50個以下である。これら暖海性の貝化石と20m高度の段丘ということで、中位段丘すなわち酸素同位体期5.5(12.2万年、 Imbrie et al. 1984)、最終間氷期の最も海進が大きかった時期の入り江の堆積物と考えられる。 この竹野川沿いの段丘については、小谷(1969)の研究があり、豊岡市畑上の同様段丘について坂本、上村(1972)が報告している。 |
現状 | 段丘崖下半部は擁壁で覆われている。貝化石を多産した地層は人工改変で地表では見られなくなった。 |
必要な保存対策 | 周辺で掘削する際は、十分に調査・研究することが望まれる。 |
執筆者 石田志朗
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