選定理由 | 本種の主な生息場所である河川敷での分布や個体数が激減したため。2011年の調査で、2002年に生息していることが確認された場所で、ほとんど生息していないことが判明。 |
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形態 | 背面は茶色または灰黄赤色、腹面は灰白色。頭胴長は95~136mm、尾長29~50mm、後足長は16~20.5mm、体重は22~62g。乳頭式は2+0+2=8、後足のしょ球数は5。 |
分布 | 本州、九州、佐渡島、能登島に分布。 ◎府内の分布区域 府内では桂川、木津川、淀川などの河川敷や堤防または休耕地や畦を主な生息場所としている。 |
生態的特性 | 完全な草食性で農地ではサツマイモ等の野菜に加害する。府下では春、秋の2回が主な繁殖期であるが、暖冬なら繁殖することもある。局所的に大発生する場合がある。 |
生息地の現状 | 河川敷の樹林化による河川草原の衰退、農地のあぜ道等の改変による生息地の減少が著しい。 |
生存に対する脅威 | 堤防や堤防法尻の草地がよい生息場所となっていたが、近年背の高い外来植物物が優占するようになり生息場所が激減している。 |
必要な保全対策 | 農耕地における農薬の使用制限。河川の自然植生の回復等の措置が望ましい。 |
改訂の理由 | 河川敷やあぜ道の環境改変による分布域の縮小と個体数の減少。 |
文献 阿部ほか(1994)、本川ほか(1999)、淀川河川事務所(2011)
執筆者 村上興正