選定理由 | シカによる下層植生の衰退に伴う分布や個体数の減少のため。 |
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形態 | 背面は暗赤褐色または暗褐色、腹面は淡色または淡灰褐色。頭胴長61~84mm、尾長39~54mm、体重5~12.5gである。尾にはまばらに長毛をもつ。 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州のほか、佐渡島、隠岐諸島、見島、伊豆諸島、大隅諸島、トカラ列島などの島。 ◎府内の分布区域 京都大学芦生研究林、大見、大文字山、比叡山等の山林、桂川、木津川、淀川河川敷。 |
生態的特性 | 森林の下層植生が発達した場所、低地の河畔、河川敷、低山林の低木林などに生息し、昆虫類、クモ類などを食べる。メスは春から秋に1~5頭の仔を産む。 |
生息地の現状 | シカによる下層植生の衰退に伴い、餌環境の悪化。 |
生存に対する脅威 | 小型の昆虫類やクモ類を主に食べるために、下生えが密な場所を好むが、近年シカの影響で下生えが激減し、乾燥化が進んだことにより、本種の分布や個体数が減少していることが懸念される。 |
必要な保全対策 | シカの管理による下層植生被害防止。 |
改訂の理由 | 本種の生息場所である山林では、ニホンジカによる下草植生の衰退により分布が減少。河川敷では樹木の繁茂により草本類が激減し、本種の分布個体数は減少したことによる。 |
執筆者 本川雅治、村上興正