選定理由 | 府内での分布は限定され個体数も多くない。 |
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形態 | ヤチネズミと酷似するが乳頭数が本種は4~6とヤチネズミの8より少ない。頭胴長70~115mm、尾長30~50mm、体重20~35g。 |
分布 | 本州の新潟、福島県以南、四国、九州、隠岐の島に分布。府内では標高300m以上の山地で多少湿潤な場所を好む。 ◎府内の分布区域 京都大学芦生研究林、比叡山、大見、八丁平など。 |
生態的特性 | 植食者で植物の葉、茎などや種実類なども食べる。繁殖期は京都府では春と秋の2回。本種の生態についてはあまりよくわかっていない。 |
生息地の現状 | ブナ、ミズナラなどの主に自然林に分布。近年これらの生息場所が減少している。さらに近年シカによって下層植生がほとんどない状態の場所が多く、本種の生息場所が激減している。 |
生存に対する脅威 | シカの密度を減少させて、シカによる下層植生の衰退を防止することが緊急課題である。 |
必要な保全対策 | シカの管理を行い、分布場所の山林の下層植生の回復を図ることが必要。 |
文献 阿部ほか(1994)、村上、金子(1997)、日本哺乳類学会(1997)
執筆者 村上興正