担子菌門 スッポンタケ目 スッポンタケ科
アカイカタケ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | 西日本各地で発生しているが、近畿地方においては個体数も少なく、継続した発生も見られないため。 |
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形態 | 菌蕾は卵形、径2~3cm、表面白色から灰色。頂部裂開して赤い腕を18~24本突き出し、その後水平放射状に広がる。腕状部の各先端は細く尖る。中央盤上には、強烈な悪臭のある黒褐色粘液状のグレバを乗せる。柄は下部が紅色から淡色で中空。基部に袋をつける。多くは夜半から裂開、伸長する。午前3時頃に広がり始め、午後7時頃に全開する。 ◎近似種との区別 アカヒトデタケ(A. coccinea Imazeki et Yoshimi, ad interim)は腕が7~9本で、形態が異なり、イカタケと類似しているので容易に区別できる。 |
分布 | 静岡県、岐阜県、愛知県、滋賀県、京都府、高知県、愛媛県、福岡県、大分県、オーストラリア、ニュージーランド、スマトラ島、ジャワ島、スリランカ、タスマニア島、南アメリカ、メキシコなど、主として熱帯地域に発生。 ◎府内の分布区域 1935年鞍馬山中(京都市左京区)にて、浜田稔氏が日本初の発見。1999年に再度発生。2003年に長老岳(京丹波町)。 |
生態的特性 | 山中などに投棄された籾殻、スギ林内や管理された雑木林の腐植などに発生する。 |
必要な保全対策 | 農地周辺の発生地は積み上げた籾殻などの堆肥に依存していたと思われる。 |
改訂の理由 | 前回指定時には1935年以降の発生が長くなかったため、絶滅種に指定された。しかしその後1999、2003、2007年に発生しているため、絶滅寸前種として改めて指定した。 |
文献 吉見(1986、1989)、杉浦(1989)、西川(2004)
執筆者 吉見昭一(原文)、佐久間大輔(改変)