種子植物 カヤツリグサ科
ヒメゴウソ(アオゴウソ)
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 |
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2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 過去現在を通じて標本の採集例が少なく、各地の開発により湿地そのものの減少に並行して本種も減少した。 |
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形態 | 低地の湿地や溜池畔にはえる多年草。根茎は短く叢生する。有花茎の高さは30~50cm。葉は粉緑色で幅2~6mm。小穂は3~5個付き、頂小穂は雄性、側小穂は雌性。下方のものは柄があり垂れ下がる。雌小穂の果胞には乳頭状突起を密布するため、粉白色を帯びる。雌鱗片は淡緑色で果胞より短いか同長、凹頭または鈍頭で芒がある。果胞は広楕円形で扁平、長さ2.5~3.5mm、嘴は短く、口部は凹形。痩果は広倒卵形で長さ約2mm。雌しべ柱頭は2岐する。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)163、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)301、日本カヤツリグサ科植物図譜(平凡社)186-187 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄県、中国大陸、インド、インドネシア。 ◎府内の分布記録区域 中丹地域、南丹地域、京都市域、乙訓地区、山城地域。 |
生存に対する脅威 | 湿地開発。農道の拡幅や新設。外見が目立たないため、稀少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲となりやすい。 |
必要な保全対策 | 湿地開発や農道工事などに先立つ詳細な生物調査が必要である。湿地は本来経済的価値に乏しいが、湿地を本拠とする生物にとって、なくてはならない聖域である。 |
執筆者 津軽俊介、松岡成久