種子植物
種子植物 カヤツリグサ科
種子植物 カヤツリグサ科
ヤマアゼスゲ
Carex heterolepis Bunge
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 |
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2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 村田源著『近畿地方植物誌』(2004)156頁に「大江山、深泥池付近」との記録があるだけで、昔から稀少種であった可能性がある。最近、綾部市や京都市大原野で生存が確認された。 |
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形態 | 平地から山間の河畔、湿地に生育する多年草。地下に横走する太い根茎があり、まばらに叢生する。葉は幅3~6mmで、縁は著しくざらつく。花茎は高さ20~60cm、小穂は3~7個、頂小穂は雄性、側小穂は雌性。雌鱗片は側面が黒紫色で、中肋が緑色、果胞と同長かやや短い。果胞は扁平、無毛で平滑、長さ2.5mmで、嘴は急に短く尖り、口部は小さく2裂する。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)163、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)298、日本カヤツリグサ科植物図譜(平凡社)156-157 |
分布 | 北海道、本州、九州、朝鮮半島、中国大陸。 ◎府内の分布記録区域 中丹地域、京都市域、乙訓地区、山城地域。 |
生存に対する脅威 | 渓流の改修、林道の拡幅や新設、砂防ダムの建設。 |
必要な保全対策 | 見かけが目立たないため稀少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲となりやすい。工事に先立つ詳細な生物調査が必要である。そのうえで諸開発の適否を判断すべきである。 |
その他 | 2002 年版レッドデータブックに異名として掲載した「ヒロハノタニガワスゲ」については、その後の研究により実体がはっきりせず、名称として使われてもいないため削除した。 |
執筆者 津軽俊介、松岡成久