種子植物 イネ科
アシカキ
京都府カテゴリー | 準絶滅危惧種 |
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2002年版 | 準絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 竹内敬著『京都府草木誌』(1962)99頁に「稀産:向島、西加舎」とあり、村田源著『近畿地方植物誌』(2004)177頁に「深泥池」、「巨椋池」の2産地が記録されている。昔からの稀少種で、近年も見かけることはややまれである。 |
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形態 | 溜池や小河川などに群生する浮水性の多年草。茎葉はざらつき、茎は径1.5~2mm。茎はやや細く節があり、茎の基部は倒伏して水面に浮かびながら生育する。また、節からひげ根を出して分枝する。茎の上方は節から曲がって斜上し、高さ30~80cm、ときに1mに達する。節には長さ1~2mmある白毛の逆毛が密生する。葉は互生し広線形で扁平、鋭尖頭、5~6個の縦脈があり、表面は逆向きにざらつく。葉身は長さ5~15cm、幅5~10mm、葉鞘は長さ5~7cm、上部は斜上または水平。花序はイネの穂に似て円錐状の複穂状花序。長さ8~12cm、まばらに8~12本の枝が斜出する。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)109、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)340、日本イネ科植物図譜(平凡社)82 |
分布 | 本州、四国、九州、沖縄県。 ◎府内の分布記録区域 中丹地域、南丹地域、京都市域、山城地域。 |
生存に対する脅威 | 湿地開発、溜池の埋め立てや改修。圃場整備。農道の拡幅や新設など。 |
必要な保全対策 | 見かけは目立たず、稀少種と気づかれぬまま諸開発の犠牲となりやすい。湿地の開発、溜池の埋め立ておよび改修、圃場整備、農道の拡幅や新設に先立つ詳細な生物調査が必要であり、そのうえで開発の適否を判断すべきである。 |
執筆者 津軽俊介、松岡成久