種子植物 ガマ科
ミクリ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 準絶滅危惧(NT) |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種A |
選定理由 | 河川改修や水質の悪化により全国的に産地が減少しているが、府内の生育地も少なくなっている。 |
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形態 | 断面が三角形をした軟らかい剣状の葉をもつ抽水植物。分枝した花序に多数の雌性頭花と雄性頭花が付く。果実の集合状態は栗の毬に似る。花序が分枝することで同属の他種から区別できる。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)142、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)417、日本水草図鑑(文一総合出版)77、京都植物25(5): 7 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、北半球全域、オーストラリア。 ◎府内の分布記録区域 京都市域南部、山城地域北部。近畿地方植物誌には「松尾寺付近」との記載があり、丹後地域の青葉山付近にも分布していた可能性はあるが、詳細は不明である。 |
生存に対する脅威 | 池沼・溜池の埋め立て、改修工事、水質の悪化。 |
必要な保全対策 | 埋もれていた種子が工事後に発芽することがあり、そういう場合には系統保存を図るべきである。 |
特記事項 | 湖沼、河川、水路に生育し、溜池にはほとんど生育しない。水辺の浅水域を生育場所とするために護岸工事の直接的な影響を受けやすいが、生育に適した環境が残れば再生力は強い。巨椋池ならびにその周辺(淀川水系)の水域はミクリの多産地であったが、干拓や護岸工事、水質の悪化で激減した。 |
執筆者 角野康郎、光田重幸