種子植物
種子植物タヌキモ科

イヌタヌキモ

Utricularia australis R. Br., Utricularia siakujiiensis S. Nakaj. ex H. Hara, Utricularia tenuicaulis Miki

選定理由	池沼や溜池の埋め立て、改修工事、水質の悪化により生育地が減少している。水田域では、除草剤の使用で壊滅状態である。
形態	水中に浮遊する沈水性の水生植物。花は濃い黄色。殖芽が楕円形で褐色がかることでタヌキモとは識別できる。秋早くから側枝に多くの殖芽を付ける集団もある。フサタヌキモやノタヌキモの葉は立体的に細裂するのに対し、イヌタヌキモでは平面的に羽状に細裂する。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅲ（平凡社）139、原色日本植物図鑑草本編Ⅰ（保育社）123、日本水草図鑑（文一総合出版）149
分布	北海道、本州、四国、九州、アジア、オーストラリア、アフリカ、ヨーロッパ。 ◎府内の分布記録区域　全域。
生存に対する脅威	池沼や溜池の埋め立て、改修工事、水質の悪化。
必要な保全対策	地下水が流入する山間部の溜池のものを重点的に保全する。
特記事項	丘陵～山間部から平地にかけての溜池を中心に、府内では最も普通に見られるタヌキモ類である。しかし、富栄養化が進行すると生育できなくなる。

執筆者　角野康郎、光田重幸

絶滅危惧種