種子植物 ミソハギ科
オニビシ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 正確な分布実態は不明であるが、他のヒシ類にくらべて分布域が狭く、府内では生育地が非常に限られており、現状では絶滅のおそれが高い。 |
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形態 | 池沼や溜池などに群生する一年生の浮葉植物。葉の形やサイズはヒシとよく似ている。果実は4本のとげをもち、大型で、毛が多く、子房突起が突出せず、果実の肩とほぼ同じ高さとなる。葉柄や葉の裏面が赤く色づくものがメビシvar. rubeola Makinoとして区別されることもあるが、このような着色は多かれ少なかれさまざまなオニビシ集団で見られるものであり、分類群を特徴づけるものではない(角野1994)。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅱ(平凡社)262、原色日本植物図鑑 草本編Ⅱ(保育社)45、f. 28: 7、日本水草図鑑(文一総合出版)128 |
分布 | 本州、四国、九州。東アジアからヨーロッパまで分布しているものと同一と見られる。 ◎府内の分布記録区域 中丹地域、京都市域南部、山城地域(京阪奈丘陵にある溜池には現存しているが、旧巨椋池跡では絶滅)。 |
生存に対する脅威 | 池沼の開発、水質汚濁などが減少の主要因である。 |
必要な保全対策 | 池沼や溜池の改修・整備の際には、詳細な調査が必要である。 |
特記事項 | ヒシの仲間は変異が多く、分類学的にも充分研究が進んでいない。もっとも普通に見られるヒシは、オニビシとヒメビシとの雑種起原とする見解もある。 |
執筆者 田中徹、光田重幸