種子植物 グミ科
タンゴグミ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧ⅠA類(CR) |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種B |
選定理由 | 府北部に位置する大江山の蛇紋岩地帯にだけ見出され、個体数も少なく、絶滅が危惧される。2002年版レッドデータブックでは絶滅危惧種であったが、現在の生育現場はササが広がり、その中に埋もれて枯死に向かう個体が多い。 |
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形態 | 葉は多くは倒卵状楕円形、先は急に尖って鈍端、基部はやや円形、長さ3~6cm、幅1.5~4cm、やや厚く、上面はやや密に宿存性赤褐色鱗片があり、下面は銀色の鱗片に赤褐色の鱗片が混生、葉柄は3~6mmで小枝とともに帯紫赤褐色の鱗片を密生する。花は5~6月頃葉腋に1個(ごくまれに2個)付き、萼筒は約7mm、内面は星状毛がなく、裂片は広卵形、上面に星状毛がある。果実は7~8月に熟し、長さ10~12mm。 ◎参照 日本の野生植物 木本Ⅱ(平凡社)86、原色日本植物図鑑 木本編Ⅰ(保育社)217 |
分布 | 本州(京都府)。府の数少ない固有種の一つ。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域、中丹地域。主に蛇紋岩地帯。 |
生存に対する脅威 | ササの伸張と広がり、歩道拡幅のための刈り取り。 |
必要な保全対策 | ササを選択的に除伐、栽培による系統保存。 |
改訂の理由 | もともと個体数が少なかったが、近年ササに埋もれて枯れる個体が多く見られる。 |
特記事項 | 一部には、植えたと見られるナワシログミがある。一部ではドウダンツツジが植栽されており、それに囲まれてタンゴグミが消滅した。登山道への安易な植栽は、厳に慎んでいただきたい。 |
その他 | 日本固有種 |
執筆者 田中徹、赤松富子