種子植物 サトイモ科
ヒメザゼンソウ
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種B |
選定理由 | 北海道や本州の日本海側には多いが、京都府では産地が限られ、個体数も非常に少ない。 |
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形態 | 山地の湿った林下・林縁や路傍にはえ、しばしば群生。葉は早春に現れ、長柄があり、葉身は卵状心形から卵状長楕円形、長さ12~20cm、幅7~12cm、鋭頭、夏のはじめ頃に枯れる。花は葉が枯れる頃に開花。花序は長い柄があり広楕円形、長さ10mm、暗紫褐色で長さ3~5cmの頭巾状の仏炎苞に覆われる。花は両性、花被片は4個。雄しべは4個、長さ2.3mm、雌しべは狭卵形、長さ3mm、下部は花軸に埋もれる。果実は翌年の初夏に熟す。同属のザゼンソウは全体により壮大で葉は卵状心形、長さ20~40cm、春に出て秋に枯れる。花は早春。仏炎苞は普通濃紫褐色で長さ20cm、幅15cmに達する。果実はその年の夏に熟す。なお、ザゼンソウは、京都府では今のところ見つかっていない。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)138、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)191 |
分布 | 北海道、本州(主に日本海側)、朝鮮半島北部。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域、南丹地域、京都市域北部。 |
生存に対する脅威 | 林道新設および拡幅、マニアによる園芸採集、温暖化による植生の遷移。 |
必要な保全対策 | 産地では個体数が少なく、多産するユリ科のウバユリの若葉と酷似しており、稀少種と気づかれぬまま諸工事の犠牲となりやすい。林道の新設や拡幅に先立つ詳細な生物調査が必要である。また、園芸用採集を禁止すべきである。 |
特記事項 | 最終氷期の遺存種と考えられる。 |
執筆者 津軽俊介