種子植物
種子植物チシマゼキショウ科

イワショウブ

Triantha japonica (Miq.) Baker, Tofieldia japonica Miq.

選定理由	府内では採集記録が非常に少なく、1937年以来情報はない。現状では絶滅の可能性が高いが、花期以外は発見困難なものであるため、このランクにとどめる。
形態	山中の湿地にはえる多年草。根出葉は線形で長さ10～40cm、縦に刺状突起がある。花茎は高さ20～40cm、1～2個の小型の葉がある。花茎の頂に総状花序が出て、苞の腋に3個の花が付く。花期は8～9月。花柄は斜め上に向き、花序とともに腺状突起が多い。花被片は6個で白色。果実は卵状楕円形で、種子の一端に糸状の尾がある。類似の他種にくらべて本種では花茎の上部と花柄に腺状突起があるのが見分ける特徴である。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅰ（平凡社）26、原色日本植物図鑑草本編Ⅲ（保育社）154
分布	本州（西限は伯耆大山）。 ◎府内の分布記録区域　京都市域北部、山城地域（笠置町）。
生存に対する脅威	湿地開発、土地造成、遷移の進行などが減少の主要因である。
必要な保全対策	山中の湿地のみならず、山中の花崗岩地帯などの岩場で水の浸み出たところにも自生している可能性があり、注意を要する。
その他	日本固有種

執筆者　田中徹

絶滅寸前種