種子植物
種子植物 トチカガミ科
種子植物 トチカガミ科
スブタ
Blyxa echinosperma (C. B. Clarke) Hook. f.
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類(VU) |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種A*1 |
選定理由 | かつては各地に産した水田雑草であるが、農薬の多用や水田の圃場整備の影響で急減している。府内で現在も生育が確認できる場所はきわめて限られる。 |
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形態 | 茎は伸長せず、線形で先の尖った軟らかい葉がロゼット状に根生する。水深によって葉の長さは数~30cmと大きく変異する。種子の両端に長い突起があることでマルミスブタから識別される。花茎を欠いたホシクサ類がときどきスブタと勘違いされる例があるが、ホシクサ属植物の葉は肉厚であるのに対し、スブタの葉はきわめて薄い。 ◎参照 日本の野生植物 草本Ⅰ(平凡社)4、原色日本植物図鑑 草本編Ⅲ(保育社)393、日本水草図鑑(文一総合出版)24 |
分布 | 本州、四国、九州、アジア、オーストラリア。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域、中丹地域(現状不明)、南丹地域(現状不明)、乙訓地域、山城地域。 |
生存に対する脅威 | 農薬、水田の圃場整備、水質汚濁の進行。 |
必要な保全対策 | 湧水のある湿田などを重点的に保全する。シカが立ち入る放棄田では、シカの糞で水が富栄養化し、遷移が進んでスブタは消えることが多い。 |
特記事項 | 自家受粉で結実する。この性質はサイズの可変性とともに水位変動のある環境に適応的である。山間の湧き水のある湿田などに、現在でもまれに生育する。 |
執筆者 角野康郎、光田重幸