シダ植物
コバノイシカグマ科
コバノイシカグマ科
オウレンシダ
Dennstaedtia wilfordii (T. Moore) H. Christ ex C. Chr.
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 一部産地で絶滅したと見られるため、現在の府内の自生地は局在しており、生育には高湿度を要するため、予断を許さない。 |
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形態 | 多年草だが冬に地上部は枯れる。根茎は長く這う。葉は京都府のものは2回羽状複生で、長さ30cm前後、幅4~5cmである。葉質は柔らかな草質。葉の両面に先端が丸い小さな毛が散在する。 ◎参照 日本の野生植物 シダ(平凡社)101、原色日本羊歯植物図鑑(保育社)49 & 199 |
分布 | 北海道から九州中部(暖地ではまれ)、アムールからインド北部。 ◎府内の分布記録区域 丹後地域(南部)、中丹地域(北部)、南丹地域(絶滅に近いが、調査不充分)。 |
生存に対する脅威 | 採石や造成工事、空中湿度の低下、園芸採集。 |
必要な保全対策 | 京都府では石灰岩、緑色岩や蛇紋岩域の川沿いに見られるので、工事が行われる際には注意が必要である。湿度さえあれば陽光には比較的耐える。人工繁殖・移植も可能。 |
特記事項 | 毛の性質はフモトシダ属やコバノイシカグマ属のものと全く異なり、ニュージーランド産のLeptolepia属とよく似ている。石灰岩地に多く、遺存的なものだろう。 |
執筆者 光田重幸