(3) 魚の大きさ別の分離状況 次に改良網で漁獲した魚の大きさについてみてみましょう。カレイ類は大部分を漁獲できましたが、小さい魚ばかり漁獲されて大きい魚が排出されると意味がありません。そこでズワイガニ、アカガレイ及びヒレグロの漁獲された割合を、大きさごとに図7に示しました。若干のばらつきはありますが、アカガレイの漁獲される割合は魚の大きさに関係なくほぼ一定(65〜88%)でした。 一方、ヒレグロについてみると、体長14cmを超えるとアカガレイと同様に漁獲される割合は一定(60〜74%)となりました。しかし、アカガレイと比べるとその割合は低くなっています。これは同じ大きさであってもヒレグロがアカガレイよりも遊泳能力が若干劣っていることを意味していると考えられます。体長14cm以下では、小さくなるほど排出されやすくなる傾向がみられました。これらの小型魚は市場価値がなく投棄されていることから、改良網を用いることにより保護が図れると考えられます。 ズワイガニについてみると、大型になるにつれて漁獲される割合が高くなる傾向がみられました。遊泳能力がないズワイガニは、その大部分が選択網から抜け落ちますが、大型のカニは脚も長く、選択網に絡みながら網の奥に入っていったと考えられます。しかし、アカガレイ漁において混獲されるズワイガニは、大部分が甲幅7〜8cm未満の小型のものです。これらの大きさのカニの約80%以上が排出されたことから、改良網の機能としてはほぼ満足できる結果といえるでしょう。
また、今回試験した改良網には調査のためにカバー網が取付けてあります。したがって本来なら直ちに排出されるはずのものが選択網の下部に滞留してズワイガニの排出を妨げていたとも考えられます。実際の操業では勿論、カバー網はありませんので、ズワイガニの漁獲される割合はもう少し減少すると考えられます。 |
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