(4) 質的な管理への効果 従来、資源管理とは魚介類の数を増やすといった量的管理を意味していましたが、近年、漁獲物の鮮度保持や向上といった質的管理についても重要視されるようになってきました。ここでは、改良網による質的管理への効果について簡単に述べたいと思います。 写真4は改良網から排出され、カバー網により漁獲されたものです。ほとんどがズワイガニやヒトデ類であることが分かります。一方、改良網による漁獲物をみますと(写真5)、大半がカレイ類やゲンゲ類などの魚であり、ズワイガニやヒトデ類はほとんど入網していません。アカガレイは傷つきやすい魚で、同じ網に入ったズワイガニの甲羅やヒトデ類に傷つけられて赤く変色したり、ウロコが剥げ落ちたりしがちです。漁獲物の傷は、鮮度の低下やひいては市場での魚価の低下に繋がります。改良網でズワイガニやヒトデ類と分離漁獲されたアカガレイは傷がつきにくく(写真6)、これらの問題を低減できると考えられます。
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また、大量に入網するヒトデ類を排出することによって、船上での漁獲物の選別作業が軽減されます。併せて、漁獲物の水揚げから魚倉に保管されるまでの時間が短縮され、漁獲物の鮮度の維持に役立つと考えられます。 | |||||||||||||||||||
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