3 網容積率と漁獲量
図5は、過去に浜詰浦漁業協同組合(現浜詰漁業生産組合)の磯漁場において揚網直前の網容積率と漁獲量から算出した網内の魚群密度を調査した時の一例です。網内の魚群密度は、網容積率が80%を超えるあたりから高まり始め、90%を超えると急激に高まることが明らかになりました。また、逆に網容積率が70%以下では、網内の魚群密度は非常に低いものでした。これはつまり、一定量の魚群が恒常的に入網すると仮定すれば、網成りが良好であるほど漁獲量が多く見込めるということです。
この結果は、効率的に漁獲するには、平均的な潮の流れ(およそ0.3ノット以下)時に網容積率を設計時の80%以上、できるなら90%以上に保つことが重要であるということを示しています。
したがって、漁獲のみに注目した場合、比較的発生することの少ない0.3ノットを超える流れに対して第二箱網容積を保持することよりも、通常みられる0.3ノット以下の流れに対して第二箱網容積をきちんと保持することの方が、定置網の操業にとってはより大切なことであると言えます。
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