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1 調査の概要
 箱網の容積と漁獲量との関係、第二箱網の目合拡大の効果を明らかにすることを目的に、府内2ヶ所の定置網漁場(新井崎漁業協同組合自営の沖礁漁場、本庄漁業生産組合の高砂漁場)における潮流と定置網の網成りの調査を実施しました。 調査の時期については、潮流が速い日が多い梅雨時期から、あまり潮が動かない盛夏、台風通過後に急潮が発生しやすい秋季にかけて(平成10年6月〜10月及び平成11年6月〜11月)の期間を選びました。
 その間、1流向・流速計による潮の流れの測定、2深度計による網の吹かれの測定、3操業日誌による漁獲量の把握と三つの調査を行いました。
 身網沖側、水深10〜15m層に流向・流速計を設置し、流向・流速を調査しました。また、第二箱網の7カ所に深度計をそれぞれ設置して網の吹かれを測定しました(図2)。




 
 (1)定置網の規模と網容積
 二段落し網の場合、第二箱網(落し網)の規模は、第二箱網の心張(芯張)から魚捕までの長さや沖側と磯側の間の幅、第二箱網が設置されている場所の海深などを「間(1間=1.515m)」で表現することが一般的ですが、これらの長さと漁獲量とを直接比較することはできません。そこで、第二箱網の大きさを「容積」で捉えることにより、漁獲量との関係を直接比較しようとしたわけです。第二箱網は潮の流れによって変形しやすく、実際には網の容積は常に変化していますが、ここでは便宜的に、側張図等から第二箱網の理想的な最大容積を求め、これを元に話しを進めます。
 網の容積と最大漁獲量との関係については、これまでに多くの研究が行われてきました。例えば、マアジの魚体1尾当たりでは、体長15cmで0.2m(約59cm角)、体長20cmで0.57m(約83cm角)の容積をそれぞれ占めるものと推定されています。このデータと、今回調査した定置網(沖礁12節)の第二箱網容積(123,164m:設計時の側張図等から算出)とから、網の容積率が色々と変化した場合の箱網内におけるマアジの最大収容尾数を推定してみました。その結果、体長20cmのマアジでは、最大収容尾数は容積率が50%の時約11万尾(約15トン)、容積率80%の時約17万尾(約24トン)、容積率100%の時約22万尾(約30トン)となりました。(表1)
つまり、この定置網ではマアジに限れば第二箱網の容積率が50%以上であれば十数万尾以上の入網が可能ということであり、如何に第二箱網の容積率を保つかが重要となってきます。
(2)網容積の調べ方
定置網の網容積を測るには大きく2つの方法があります。一つは、水槽内に模型網を入れて水流を起こし、模型の変形をビデオで撮影し、網の各部の移動状況を計測して網容積を求める方法です。もう一つは、実際の網に深度計を取り付け、網の吹かれによって変化する深度変化から網容積を求める方法です。前者は容積を正確に求めることができますが、それはあくまでも水槽内の模型網の容積であること、後者は実際の網の挙動を捉えはするものの、それは垂直方向(上下の動き)のみであり、水平方向(横の動き)の変化は捉えられないことなど、いずれの方法にも一長一短があります。ただ、模型網を使う方法は大掛かりな装置が必要であること(残念ながら京都府には、このような装置はありません。)、実際に使用されている模型と同じ模型を使う必要があることなどから、今回の調査では、比較的簡便でどの漁場でもできる方法である、深度計による網容積推定法を用いました。
箱網の容積は、側張りの図面から読み取った面積に深度計から求めた網各部の深さの平均値をかけて求めました。深度計は三枚口の下、中央部(中央・磯・沖)、魚捕の下、魚捕の上の6ヶ所と、返し(ろ斗)の先の1ヶ所の計7ヶ所に設置しました。また、流向・流速計も箱網に近い水深10〜15mの場所に設置して、潮の流れの向きや速さも同時に測りました。そして、10分間おきに網容積を求め、それぞれの網容積率を求めました。
 
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