7.アカガレイの生活(まとめ)
以上紹介してきましたアカガレイの生活を図10にまとめてみました。アカガレイの成長にそって、説明します。
水深200m前後で生み出され孵化した稚魚は、2週間程度の浮遊生活ののち、水深180〜200m域のクモヒトデが多く生息するところに着底し、底生生活をはじめます。以後、産卵に関与するまでの未成魚の期間は(雄の場合は3年間:体長180cmまで、雌の場合は5年間:体長26cmまで)あまり移動せずに、水深200〜250m域で生活しています。
産卵に関与する年令になると、広い範囲の移動を行うようになります。まず、2〜3月頃の産卵期には、産卵のため、水深200m前後の浅場に接岸してきます。そして、産卵後は生活の場を徐々に深場に移行させ、水深230〜280m域が主たる分布域となります。9〜10月にはさらに水深の深い場所(水深400m以深)で生活します。そして11月以後の産卵準備期間には再び浅場に接岸してきます。ですから、11〜1月ごろの生活の場は水深230〜280m域となります。この時期、底曳網船はズワイガニ漁に出漁しますが、ズワイガニの分布の中心は水深230〜350m域です。ですから、アカガレイの親魚はこの時期に比較的多く漁獲されています。2月〜3月には、産卵水域である水深200m前後の浅場に再び接岸してきます。先に述べましたように、アカガレイの寿命は15年で、雌は5歳で産卵に加わりますから、アカガレイの雌の親魚は、こうした深場と浅場の移動を10年近く繰り返していることになります。 |
Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.