ページの先頭です。

共通メニューをスキップする

京都府トップページへ

キーワード検索

府政情報 | 暮らし・環境 | 教育・文化 | 健康・福祉・人権 | 産業・しごと | 地域振興 | 京都の魅力・観光

ここまでが共通メニューです


サイト内の現在位置です: 京都府トップ農林水産業海洋センター

3)事業規模での種苗放流と漁獲
 先に述べましたように、実験規模の放流数ではありますが、放流用種苗を実験漁場に放流し、漁獲可能サイズになった時点で潜水で回収すると、回収率が約80%の高率であることが明らかにされています。そこで、放流用種苗を事業規模で漁場に放流した場合、どれくらい漁獲されるのかについて触れてみます。
 まず、放流種苗が逃げ出し難いように砂地の真ん中に投石漁場を作り、事業規模でどれ位漁獲できるかを実験してみました(表4)。実験当初、漁場には平均殻高24mmの種苗が約8,300個おりましたが、平均殻高55mmになって漁獲可能サイズに達した時点で刺網と潜水で漁獲したところ、約6,800個の放流種苗が回収され、回収率約82%と高い値が得られました。この実験で放流種苗が逃げ出さなければ事業規模でも実験規模の場合と同様、高い回収率が得られることが確認されました。
 つぎに、養老地先と蒲入地先で事業規模で種苗を放流した場合についてみてみます(表5)。これらの漁場では放流された種苗は岸沿いにあるいは沖に向かって自由に漁場から散らばることができます。まず、養老地先での事例ですが、天然域で中間育成した放流用種苗、約11,900個を昭和63年に養老漁業協同組合管内長江地先(水深1m以浅の海域)に放流しました。これらの種苗には全てその殻の先端に着色した瞬間接着剤を標識として付けて放流しました。種苗放流後には、この海域は平成3年12月まで禁漁とされ、平成4年1月から解禁とされました。放流された種苗は、放流後約1年で漁獲可能サイズである殻高50mmに達しました。サザエ刺網と潜水での漁獲試験、操業日誌調査、魚刺網の漁獲量調査等を水視組合と青年部の皆さん、水産事務所、海洋センターの協力、共同のもとに実施しましたところ、平成4年12月までに昭和63年に放流したサザエ種苗、約3,100個(約300kg)が漁獲されたことが判り、この時点での昭和63年放流群の全回収率は26%となりました。この他に、平成元年にも同様の実験をしておりますが、放流種苗の回収率は約49%でありました。このように、実際の漁場では放流種苗が自由に漁場から散らばってしまうために、必ずしも当初期待したような高い回収率が得られないことが判ってきました。ちなみに、回収された種苗の中には放流点から左右それぞれ約2kmも離れた場所で漁獲された例もあり、成長とともにかなり大きな移動をすることも判りました。

次頁へ
前頁へ


ページの先頭に戻る

お問合せ先一覧 | サイトマップ | ご利用案内 | 個人情報の取扱い | 著作権・リンク等 | このサイトの考え方

Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.