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丹後沖でみられるゲンゲの仲間は約10種で、そのうち食用となっているのはタナカゲンゲとノロゲンゲの2種です。どちらも底曳網でズワイガニなどと一緒に水揚げされています。
幼魚のうちは茶褐色の横縞が明瞭にみられますが、成長すると横縞は消え、体の上半分と背びれに多くの白色斑が目立つようになります。大きいものは80センチにも達し、幅広の頭に、小さな目、大きな口が特徴的です。
平安丸の水中ビデオカメラでの観察では、とぐろを巻くようなかたちで、海底にじっと横たわっている姿を目にすることができます。店頭では「キツネダラ」などと呼ばれ、見た目はグロテスクですが、身は淡白な白身で、鍋料理、煮付けなどにすると絶品です。
京都府立海洋センター主任研究員 山﨑 淳
(平成18年10月4日、京都新聞掲載)
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