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アオサなどと同じ緑藻類の海藻で、丹後の海でごく普通に見られます。からだの先端に向かい規則正しく何度も二股に分かれた形をしており、全長20cm程度になります。その形から漢字では「海松」と書かれます。
ミルの深緑色から海松色という伝統色が生まれたように、昔は今より身近な海藻だったようで、食用にもされていました。現在ではほとんどなじみがなくなってしまいましたが、名前だけは寿司ネタのミルクイ(通称ミル貝)の中で目にされることがあるでしょう。
見た目やスポンジのような手触りがいかにも美味しくなさそうで、これまで食べたことはありませんでしたが、ものは試しと口にしてみたところ、食感は少しスカスカするものの、味は悪くありませんでした。酢の物やサラダに良く合いそうです。
京都府立海洋センター主任 西垣友和
(平成21年2月6日、京都新聞掲載)
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