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写真の魚、一見するとクロマグロ(ホンマグロ)のようですが、コシナガといいます。これを漢字で書くと腰長となり、名前が示すようにマグロ属の中ではやや尾部が長くてスリムです。また、長い胸びれが特徴で、丹後の魚市場ではコシナガとより高価なクロマグロを胸びれの長短や尾部の幅などで区別します。ただし、体長40cmに満たない幼魚期の胸びれは短く、ときに専門家でも迷うほどクロマグロの幼魚とよく似ています。
元来熱帯域に生息しますが、丹後の海でも秋口を中心にまとまって水揚げされることがあり、特に近年そういった光景を目にする機会が増えたと感じます。
とはいえ、世界中でみるとマグロ類の生息数はむしろ減少傾向、現在国際的な漁業管理が進められています。
京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成20年9月3日、京都新聞掲載)
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