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ウスバハギは、丹後の漁村では一般に「うま」、「うまづら」と呼ばれています。体長は40~60センチで、馬に似た顔つきをしています。色は地味な灰色でザラザラして硬く、あまりおいしそうには見えません。ところが、身は淡泊で美味な上、肉量が多いので刺身を始め鍋料理やバター焼きにもぴったりですし、肝の味は極上です。
まぎらわしい話ですが、標準和名ウマヅラハギというよく似た魚が別におり、こちらは体長20~30センチとやや小ぶりで、「長はぎ」、「長り」などと呼ばれています。
今の時期、海の中を覗くと、今年大量に出現して漁師を困らせているエチゼンクラゲをつついて食べる姿を見ることができるかもしれません。
京都府立海洋センター 主任研究員 上野陽一郎
(平成17年12月21日、京都新聞掲載)
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