第2週、インフルエンザの定点当たりの報告数は、先週(全国3.76、京都府3.53)からほぼ倍増し、全国で7.33、京都府で7.55となっています。検出されるウイルスの型はA香港型が優位で、今季はこれまでのところAH1pdm09はほとんど検出されていません。
特に重症化のリスクのある方(慢性呼吸器疾患や慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能低下、妊婦、乳幼児、高齢者)では、予防を心掛け、高熱、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などインフルエンザを疑う症状があるときには医療機関を受診し、症状の推移に注意しましょう。
また今週、風疹が一例報告されました。風疹は、2008年から全数報告対象の疾患となり、2008年に294例、2009年に147例、2010年に90例と減少傾向にありましたが、2011年には369例と増加に転じました。福岡県、神奈川県、大阪府、東京都などで多く報告され、京都府での報告数は少なくなっています(都道府県ごとの差が大きい)。風疹は通常小児が多く罹る疾患ですが、2011年には成人が多くを占めており、特に20〜40代の男性に多いという特徴がありました。ワクチン接種体制の変遷もあり、この世代ではもともと未接種の方の割合が多いなど、抗体価が低い方が多いことが原因と考えられています。 本邦で風疹が流行する際には、1年目より2年目に患者数が増える傾向が知られており、風疹患者が多く出る春からの患者数の増加が懸念されています。
風疹の問題点として、妊娠時に罹患すると先天性風疹症候群と言って胎児に影響が出ることが挙げられます。週数が高いほど危険が少なくなることが知られていますが、風疹を予防することが最も大切です。風疹はワクチンで予防することができ、2006年からは麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)の二期定期接種が行われています。2008年から2012年度の5年間は経過措置として第3期(中学1年生)、第4期(高校3年生)も風疹のワクチンを接種することが可能です。風疹ワクチンは生ワクチンであるため妊婦への接種は行われないため、妊娠を希望あるいは妊娠の可能性の高い年代の女性とそのご家族は、あらかじめワクチン接種をすることが勧められます。(なお、ワクチン接種後2ヶ月は妊娠を避けるようにします。) また職場での成人男性の集団感染の事例もあり、働き盛りであり、かつ抗体価の低い方が多い20~40代の男性も、これまでに接種の心当たりが無い方はワクチン接種をすることが望まれます。
(1月23日更新)
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