中丹広域振興局
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地拵(じごしら)えは、苗木を植える前の植え付け地の準備です。植え付けや植えた苗木の生育の邪魔になる雑草などを刈り払い、木の伐採で地面に散在した枝などをかき集めて整理します。かき集めた枝などは、植え付け地の土壌には大切なもの。表面の土壌の流出を抑え、枝葉は徐々に分解しながら養分となって、森の土壌を改善します。また表面を覆うことで、土壌の乾燥や霜害を防ぎます。
植え付けは、将来の森の姿を決定する大切な作業です。植え付け地の環境にあった、品質のよい苗木を選ぶのはもちろんのこと、植えた苗木が順調に成長するよう、植え付け時期や苗木の間隔を十分に検討します。中丹地域ではスギやヒノキが主として春か秋に植えつけをし、苗木はおおよそ2メートル弱の間隔で植えられています。
苗木の植え付け地は、大きな木や草がなく、十分に光が当たるので植物にとっては絶好のところ。なのでそのままにしておくと、雑草や他の木が茂ってしまい、せっかく植えた苗木はその中に埋もれてしまい、大きくなれません。そのため年に1、2回、鎌や刈払機を使って不用な草木を刈り払います。下刈りは、植えた苗木が草木の影響を受けない高さまで大きくなるまで行います。
つる性の植物がありますが、フジやアケビなど木本のつるの中には木に巻きつきながらよじ登るものがあります。つるが植え付けた木に巻きつくと、幹に食い込んで締め付けたり、幹の形をゆがめたりします。また、上部で拡がると、木の葉を覆い隠すので成長に影響を与えます。つるは地拵えの時にすべて取り除いておきますが、下刈り作業の際にも、見つけ次第除去します。
幼齢期の頃までは、降雪の重さで倒れる木があります。そのままにしておくと木が曲がったり、傷ついてしまうので、雪解け後すぐに雪起こしの作業を行います。倒れた木の枝に縄を結んで引き起こしたら、縄のもう一方を斜面の上部のかん木等の根に結んで固定し、木の根元に土を寄せ集めて十分踏み固めます。ただし、そのままで次の降雪を迎えると、今度は結んだところから上が折れることがありますのでそれまでにほどいておきます。
植えた苗木も見上げるようになってくると、少しきゅうくつになってきます。
除伐は、形質のよい木の成長をよくするために、形質の悪い木や林の中に侵入した他の樹木を除去する作業です。
間伐は、森林を適正な密度で管理して、健全な状態を維持するために行う作業です。いつ、どんな木を、どれくらい伐るのか。密度を管理する技術・伐る木を選ぶ技術はこれからの木と森の将来を決定する大切なものです。間伐は、形質の悪い木を中心に切り捨てる方法と、木材として利用できるものを選んで伐採して運び出す方法があります。
枝打ちは、節のない良質な木材を生産するための作業です。枯れた枝やある程度の高さまで生きた枝を付け根から切り落とします。枝打ちは無節材を作るのが目的ですが、生きた枝を切り落とす量により成長量をコントロールすることができ、年輪幅を調整することでも木材の品質を向上させることができます。
人工林では、最後に伐採するときに残っている本数よりもはるかにたくさんの苗木を植え付けます。木の成長期間は数十年もあるので、木が成長するに従って成長の遅い木や形の悪い木、気象や病害虫により被害を受けた木などを切り倒していきますが、みんな元気に育っていくと、背が高くなるだけでなく横にも広がり、隣り合ったもの同士で混み合ってしまいます。
そうなると、木はみんな細長くて気象害や病害虫に弱い木ばかりになります。また、真っ暗な林の中では、地表には草や低木さえも生えることができません。何も生えない地面は、雨が降るたびに地表が洗い流され、やせるだけでなく災害に弱い地面になります。
そこで、林が混んできたら、林の中に光が入るように、一定の割合で均一に木を抜き伐りします。この時、形の悪い木や被害木を伐採する「切り捨て間伐」にする場合と、よい木もあわせて伐採してそれを木材として使う「利用間伐」にする場合があります。
間伐は、苗木を植えてから伐採までの長い年月の間、植えた木はもちろんのこと、地面などの環境も含めて健全な状態に保つために必要な作業です。
目的の大きさに成長したときが収穫“主伐”の時です。主伐には、林一面をすべて伐採する「皆伐」と、すべての木を伐らずに必要なものを選んで伐る方法「択伐」があり、1本ずつもしくは小面積単位で抜き切りする方法があります。
そして、収穫した跡には次の苗木を植え、森づくりは続きます。
数十年間、山で大切に育てられた木は、伐採され、そして丸太のままで山を降ろします。
丸太はまず、製材市場に集められます。そこでは、丸太を樹種、長さ、太さなどが揃えられます。そうすることにより市場に買いにくる方は欲しい丸太がすぐに見つかり、揃えることができるのです。
木材市場に丸太を買いにくるその多くは製材工場です。製材工場では、買ってきた丸太を、柱や板など目的の形や大きさに加工します。
加工された柱や板は「木材」として、はじめて私たちの生活の中に入ってくるのです。
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