中丹広域振興局
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取材者:舞鶴高専電子制御工学科4年 蘆田修平
高い技術力を生かしつつ設備投資により職場の近代化を進め、事業の多角化と新たな取引先開拓に取り組んでいるコアマシナリー株式会社を訪ねました。事業承継で経営を引き継いだ現社長が会社の若返りを図り、IT化を進めるなど労働環境の改善にも積極的です。また宇宙事業にも参画して「夢」を広げています。代表取締役の岡本真樹さんに話を伺いました。
Q:何を製造していますか。また強みを教えて下さい。
A:アルミを加工して、取引先企業が求める形にして納めています。納めた製品は半導体製造装置、レーザーの発振器、産業用ロボットなど精密部品が多くを占めています。
コアマシナリー株式会社は切削加工と表面処理のアルマイト加工の2つの加工工程を持つ二刀流の会社です。業界では非常に珍しいことです。部品を調達したいお客様にとっては、複数の企業に発注を振り分けなくても、1カ所で最終製品形状に仕上げてくれる「ワンストップサービス」というのは、調達の手間を削減できるため非常に大きなメリットになります。
宇宙事業に参画していることも特色です。国際宇宙ステーションの船外曝露実験施設で曝露するアイテム製作をしました。アルミ製品の多用なデザイン性が評価されて参画できました。宇宙事業に携わるわくわく感を、若い人たちに一緒に感じてもらいたいです。
ISS_ExBAS(c)JAXA NASA
Q:働く場としてはどうでしょう。
A:平均年齢が33.1歳と若い職場です。2016年に事業承継という形で経営を引き継ぎ、次世代のものづくり企業という立ち位置に替わっていこうとしています。製造業と聞くと、ドラマに出てくるような下町の工場のイメージがあるだろうけれど、IT化もDXも進め、「明るくクリエイティブで先進的なものづくり」に取り組んでいます。
Q:精密切削加工やアルマイト処理など、現在行われている分野の事業を始めようとしたきっかけを教えて下さい。
A:創業は1977年で、はじめはプレス・塗装・研磨とアルマイト処理の4つの工程だったと聞いています。切削加工はしていなかったのですが、日本がITの時代を迎えて、今も取引がある半導体製造装置メーカーさんが、本格的に半導体事業部を立ち上げた。その時に、先代社長が切削への取り組みを開始し、今の会社の事業が固まりました。
Q:将来、コアマシナリー株式会社のどういうところを伸ばしていこうと考えていますか。
A:若さを生かした次世代のものづくりを実現するためには、ただものづくりをするだけではダメだと思っています。
同業社や町工場では、技術、経営の継承が社会問題になっています。誰かが引き継いでいかないと日本のものづくりがダメになる。引き継ぐ相手として相応しい技術力と設備、マインドを持った、前向きな企業になりたいと思っています。ものづくりを通じて人を育て、自分たちの力で社会問題も解決できる企業を目指しています。
Q:コアマシナリー株式会社に向いている人材はどのような人ですか。
A:クリエイティブな人です。これからの時代の価値観を取り入れていく姿勢を重要視したいですね。
Q:従業員数が少なく、若い方が多いことで、大変なこともあると思うのですが。
A:昨年も若い人たちがたくさん入社してくれ、頑張ってくれていますよ。人数が少ない分、ロボットの導入など設備投資をして、一人当たりの生産性を高めています。受注量の波が激しい業界なのですが、受注情報のデジタル化によって需要予想もできるので、先を読んで残業を増やしたり減らしたりといった調整もなだらかにできています。
福知山市のふるさと納税の返礼品にもコアマシナリー株式会社のハニカムテーブルがあることを知りました。
切削加工技術を生かして、厚さ2mmの世界最薄クラスのハニカムテーブルを作っておられます。ハニカムとは、正六角形および正六角形柱が隙間なく並んだ構造のこと。ハニカムにしている理由は、軽いのに強度があり、音や衝撃を吸収し、断熱効果もあるためですが、その机の薄さゆえに高い加工技術が求められます。
このテーブルを作ったことにより、自社技術を視覚的に多くの企業に知ってもらうことができ、新しい取引先の開拓にもつながっているそうです。
従業員のみなさんにも、どういう意識を持って仕事をされているか、やりがいは何か、どのような人材が向いているか、仕事とプライベートの両立はどうか、など質問してみました。
「数字と向き合う仕事なので、周囲と相談しながら慎重に取り組んでいます。従業員同士が連携しやすい環境こそが、やりがいにつながっています。向いているのはクリエイティブな人。若手を多く採用している理由もそこにあると思います。」
「従業員数が少ないので、できるだけ無駄を減らす工夫をしています。明るい性格の人なら、すぐこの会社に馴染めると思います。」
「お客様に満足していただけるように、第一にキズがないように徹底しています。元々ものづくりが好きでした。いまはマシニングセンタでプログラムを作り、図面どおりに部品を完成できると楽しいです。
趣味は着物を着ること。釣りやキャンプ好きな社員さんがたくさんいらっしゃるので、計画的に仕事を終わらせ、趣味の時間がしっかりとれるぐらいの休みはあります。」
「部品は数に限りがあるので、できるだけ失敗しないように気を付け、1日あたりの数を頭に入れながら製造しています。新規の部品を作る際、マシニングセンタでプログラムを自分で作成し、部品が完成した瞬間にやりがいを感じます。
仕事は時間内に終わらせるようにし、趣味や家族に十分時間がとれています。仕事とプライベートの両立には、気持ちの切り替えが大切ですね。」
――取材をして――
宇宙事業への参画は、非常に画期的な取り組みだと思いました。また自社商品開発にも挑戦されていて、社長さん自ら、大学の講義を受け、商品化の知識を蓄えていらっしゃるとのことでした。
コアマシナリー株式会社
福知山市三和町芦渕777
電話0773-58-2180
https://www.coremachinery.co.jp/(外部リンク)
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